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鮮やかな花柄のプルオーバーにパナマハット。小粋ないでたちの山本陽子さんがテラスに佇むと、背景の緑や空の色に一段と鮮やかさが加わります。凛とした着物姿が多い舞台やドラマとはひと味違う、とてもアクティブな印象です。 「今年で女優生活43年目を迎える」という山本さんが女優の世界に入ったのは21歳のとき。当時勤めていた証券会社の同僚が「日活ニューフェース」に応募書類を送ったことがきっかけでした。 「その時はまだ、女優になろうなどとは思っていなかったんですよ。ただなんとなく撮影所とか芸能界を覗いてみたいという好奇心で試験を受けてみたんです。そうしたら、合格してしまって・・・」 そこで、ほんの少し女優の世界に足を踏み入れてみることに。これも持ち前の好奇心のなせる技でした。 「でも、入ってみたら時間にとてもルーズで、それまでのOL生活とは180度異なる世界でした。そのギャップから自分は女優に向いていないと感じましたし、青春映画真っ盛りの時代に21歳になる私の出番はほとんどなかったんです」 年下の同期が主役に抜擢されるのを横目に見ながら、山本さんは1年間をいわゆる「大部屋」で過ごしたそうです。 「もう毎日、辞めたくて、辞めたくて。でも、それを口に出しては言えなかった」 山本さんにとっての逆風が吹いていたころ、日活にテレビ部が創設されました。 「映画に比べてテレビは格下だという時代でしたが、私はまったく気にせず、すぐにテレビの仕事を引き受けました」 そして、さまざまな役をこなすことで、女優という仕事が俄然面白くなってきたそうです。 「役作りの段階がとにかく楽しくって」 山本さんが、周囲の言葉に翻弄されることなく、常にしっかりとした物差しをご自分のなかに持っている人であることがわかります。その後、1980年には舞台での主役にも挑戦し、94年には宇野千代原作の小説を舞台化した「おはん」で菊田一夫演劇賞を受賞。 「舞台は生き物です。恐さもあるけれど、その分喜びも大きいんです」 この43年間を振り返って「ラッキーだったのかもしれませんね」と話す山本さん。その言葉には、一つの道を極める人の清々しさが漂います。果たして次はどんな人生を演じ、私たちを魅了してくれるのでしょうか。 |
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「あまり“疲れた”と感じることがない」と語る山本さんに、「もし、いま、1週間の休みがとれたらなにをしますか」と聞いてみました。 「気の合った仲間と景色のいい所でゴルフをしたいですね」 山本さんは無類のゴルフ好きなのです。 「スコアは100〜110の間を行ったり来たり。でも、スコアよりも、とにかくコースを歩いて回るのが好きなんです。もちろん、スコアが良ければどんなに気持ちがいいだろうとは思いますけれどね(笑)」 撮影の合間にも、エクシブ浜名湖の窓からゴルフ場のグリーンを見渡しては、ため息を漏らしています。 「こんなにお天気がいいと、歩くだけでもいいからコースに出させて、というくらい好き。今日は時間がなくて本当に残念です」と、ここがとても気に入られたご様子です。 「東京からこんなに近い所に、これほど美しい風景があるなんて驚きですね。建物のなかもまるでヨーロッパに来ちゃったみたい。スタッフの方もよく働いてらっしゃいますね。先程、お掃除担当の方が街灯のカバーの中を拭いているのを見かけました。それに、ベルボーイの方からお庭の手入れをしている方まで、みなさんが声をかけてくださるでしょ。すごいです。そういうことって、すべて感性の問題だと私は思っています。きっと、ここでは経営者の方の感性が従業員一人ひとりに伝わっているのでしょうね。演技や人生も同じで、感性ってとても大切なんです」 到着してからわずか2時間ほどにもかかわらず、山本さんは実によく観察されていました。 「実はね、私にはいつか旅館のオーナーになりたいという夢があるんです。だから、ホテルなどに泊まると、ついついバスルームのタオルはどんな風にかけてるんだろうなんてことにまで興味を持ってしまうんです。今日は参考になったし、とても気持ち良く過ごせました」 「概ね合格ですか」と尋ねると、「いいえ、それどころか“大合格”ですよ」とのお言葉。本当に光栄です。 |
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撮影の間、絶えず気さくな微笑みを投げ掛け、時にはカメラマンのもとに駆け寄ってデジカメのモニターを覗き込む山本さん。 「あら、いい感じに撮れているわね」と声をかける姿に、誰もが元気づけられます。その明るさはどこから来るのでしょうか 「私、江戸っ子だから湿っぽいのが嫌なんです。それに、良いことも悪いことも持ち越さないタイプで、切り替えも早いんですよ。役に入るのは現場に向かう運転中や、メークの時間があれば充分。で、緞帳が降りた瞬間に、サッと自分に戻れます」 楽屋を出るのも、誰よりも早いのだとか。 「もう次のことを考えているんです。一日中動いていないと駄目なたちで、じっとしていられないの」 今後の抱負を聞いてみました。 「年齢を重ねることは、私にとって楽しみなこと。これからはどんな役が演じられるだろう、70歳になったときどんな皴が出来ていて、どんな自分がいるんだろうって想像するとワクワクします。それに、年齢を重ねていく良さって絶対にあるでしょ?私も若いころにはキリキリすることがよくあったけれど、最近はあまりいろいろなことに動じないようになりましたしね。ほかにも、年齢を重ねることによって見えなかったものが見えてきたり、時間を大切にしようと思うようになったり。考えてみると、若いころから歳をとることに対して、恐さを感じたことはなかったみたい。その年齢ごとの生き方があると思っていたから。ただ、年齢なんてあまり考えずに行動するほうがいいと思います。年齢の持つイメージに左右されずにね。要するに私って単純なんでしょうね」 スパッと自分らしく生きる。そのシンプルさこそ山本さんの若さの秘訣なのかもしれません。 |
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●プロフィール/1942年3月東京生まれ、血液型A型【趣味】ゴルフ・麻雀・車の運転・掃除・通販【賞】1994年 第19回菊田一夫演劇賞受賞◎主な出演作品/【舞台】1971年「放浪記」で初舞台。その後「生きていく私」 「おはん」「細雪」「付き馬屋おえん」「8人の女たち」「狐狸狐狸ばなし」他に出演。【TV】NHK「となりの芝生」 「京ふたり」「徳川慶喜」「一弦の琴」「恋する京都」、TBS「白い影」「白い滑走路」、フジテレビ「平岩弓枝シ リーズ」、テレビ朝日「黒革の手帖」「羅刹の家」他 ★今年は7月1日(土)〜26日(水)まで博多座にて「阿修羅のごとく」、 11月5日(日)〜29日(水)まで中日劇場にて「いろどり橋」に出演予定。 |
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