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Q3
現行の年金制度下では、現役世代が受給できる年金は、すでに受給が開始されている世代より低い比率でしかもらえません。また受給開始年齢の引き上げにより年金額自体が減少します。 そこで、現行制度下で受給を受けている高齢者との格差や不公平を訴える声が上がっています。現在の年金制度は、世代間格差があると思いますか? 一番近いと思う回答を1つ選んでください。
 年金受給者への年金を現役世代が負担する「賦課方式」は、少子高齢化により現役世代の負担が大きくなりすぎるため、厚生年金保険料は、給与の18.3%を上限とし、国民年金保険料は、 月額1万6,900円と固定。その財源をベースに支給する(実際には、税金や過去の積立金の取り崩しからの支給が含まれる)ように変更されました。
 しかし、支払を固定をしても「賦課方式」では、かなりの世代間格差が発生することが分かっています。2015年の厚生労働省の試算に拠ると、 厚生年金に加入するサラリーマンの夫と専業主婦の場合、その時代の平均年齢まで生きるとすると、1945年生まれの人は、厚生年金の負担額1,000万円に対し、支給額は5,200万円で、 納めた保険料の5.2倍の保険料がもらえます。また、国民年金では、400万円の負担に対し、1,400万円(支給率3.8倍)が支払われます。 ※実際に支払われる金額は、個人の年収やマクロ経済スライド制等により変わります。
 一方、現役世代である1985年生まれの人は、厚生年金の負担額が2,900万円に増え、支給額は6,800万円になります。支給額が増えているのは、1985年生まれの人の平均寿命が、 1945年生まれの人より3年7ヶ月長くなっているからで、支給率は、逆に2.3倍にまで減っています。国民年金では、1,100万円の負担に対し、支給額は1,700万円 (支給率1.5倍)になります。若い世代の負担額は明らかに増えるものの、支給額はあまり変わらず、支給率は半分以下に落ちます。そしてこの差は、年齢が低い若い層になるほど広がっていきます。
 現在の高齢者は年金をもらえても、自分達が高齢者になった時には年金がもらえなくなるのではないか?という制度への不信感が若い年齢層に広まり、若い世代に年金保険料の不払いが増えた時期がありました。 社員の厚生年金を支払わない法人も増えたため、不払い者へは、強制的な徴収や差し押さえなどが行なわれ、不払い者が減少したようです。しかし所得の低い若い世代では、保険料支払いが生活する上での負担になっており、 現行の年金制度に対する不満が消えていません。
 会員様も65.1%の方が「大きな格差がある」、25.1%の方が「やや格差がある」と現行の年金制度に世代間格差があることを 認識していらっしゃいます。但し、少数ですが「格差があるとは思えない5.3%)」「格差はない0.6%)」を選んだ方もいらっしゃいます。 「格差なし」を選んだ方は、すべて50代以上の方々で、30代~40代の方はゼロでした。特に70歳以上の年金受給世代が、一番多く格差がないと考えており、70歳以上男性12.9%、 70歳以上の女性では、33.3%でした。
Q4
現役世代が負担している社会保険料の大部分は、年金、医療保険費、介護年金などの高齢者向けの費用に割り振られていて、国の将来のために必要だ思われる「少子化対策や待機児童解消」などに費用が回っていないのが実態です。 「少子化対策や待機児童解消」などに費用を投入するには、社会保険料を値上げする(現役世代の負担増)のと高齢者向け費用の削減と、どちらが良いと思いますか?
 世界最速とも言われる日本の少子高齢化の波は、年々国民生活に大きな影響を与えるようになっています。特に、社会保障費への影響は強力で、国の財政赤字解消をより困難にする要因になっています。 少子化による現役世代の減少は、社会保険料の収入減や個々の負担増につながり、高齢者の増加は、老齢年金介護保険料医療保険費(※1)の増加に直結するからです。
※1.日本人が生涯に使う医療費の約半分は、70歳以降に使われており、そのピークは75~79歳です。(東洋経済社)
 従って、少子化解消は非常に重要であり、且つ長い年月が必要になるため、即刻に取り掛かる必要があります。ところが、今まで長い間「少子化対策」を担当している政府内閣府は、一向に成果を挙げていません。 自民党の小泉進次郎氏などの若手議員から、国の社会保障費の大半が老齢年金介護保険料医療保険費に使われており、「少子化対策や待機児童解消」に費用が回っていないという実態が 指摘されています。では「少子化対策や待機児童解消」費用は、どうやって捻出すれば良いのでしょうか?
 会員様のご意見で1番多かったのは、「高齢者向け費用の削減45.9%)」でした。30代~50代までは、50%以上の方がこの選択肢を選んでいます。但し60代では、39.3%へ、 70歳以上では、34.8%へと減少しています。年金受給世代では、「高齢者向け費用の削減」に賛成する方は、他の世代より少なくなっています。
 次に多かったのは「別の方法で費用を捻出41.0%)」です。「高齢者向け費用の削減」や「社会保険料の値上げ」をしなくとも、 他の方法、例えば公共事業・公務員・無駄使いなどの削減で、費用が捻出できるのではないかという考えです。女性では、この選択肢が「高齢者向け費用の削減」と同率の45.0%でした。男性では、 38.6%で、女性よりやや低率でした。
 男性の方が多かった意見は、「社会保険料の値上げ男性12.6%女性6.7%)」でした。この選択肢は、年齢が若い現役世代の方が多く選んでおり、30代男性は、 20.0%40代男性は、20.7%でした。一方、年金世代である60代70歳以上は、平均以下でした。70歳以上女性では、ゼロ%でした。高齢者層の多くは、 若い世代がお金を持っていないことを知っていると思われます。
 「少子化対策や待機児童解消」に国の予算が回っていないと言うことは、政治家が大票田である高齢者に配慮する、いわゆる「シルバー民主主義」の影響である可能性があります。 さもなければ、政府や役人が少子化対策等を「本気ではやっていない」という由々しき状態であることになります。由々しき状態と言えば、人口が増え続けている大都市の住民も、少子化対策等に対しては、同様なのかも知れません。 例えば、昨年の吉祥寺東町・今年の吉祥寺南町で起きたような「子供の声がうるさい」と待機児童解消のための保育園開設を中止させるような反対運動は、住民が「少子化対策や待機児童解消」を、 自分達の国の将来にとって非常に重要な問題だと捉えていれば、起き難くかったと思います。反対する人達が子供の頃の時代は、もっと子供の数が多かったはずです。しかしその当時の大人達は、保育園開園に反対したでしょうか?
 今、若い女性達は、社会進出(労働力)と出産・子育ての両方を高いレベルで求められています。それが実現させるには、女性の大変さをみんなが理解し助ける気持ちがなければ難しいと思います。 ところが2016年、子供の出生数は、初めて100万人を割りました。少子化により出産適齢期の女性が減少していることが大きな要因です。少子化のもたらす負の連鎖が、止まりません。
Q5
年金受給年齢であっても、会社の経営や金融資産などで若い世代より収入の高い高齢者は沢山います。その為、現役世代から、高収入高齢者の年金受給を疑問視する意見が出ています。 年金支給に所得制限を導入すべきだと思いますか?
※平成19年より「年金受給を辞退」できる仕組み(いつでも再開することができる)が導入されています。
 日経ビジネス誌が、当時民進党細野豪志議員にインタービューした2017年6月の記事に「極論を言えば、お金を十分に持っているおじいちゃん、おばあちゃんさえも、貧乏な若者が支えている。」と書かれていました。 実際に、会社の経営層や金融資産などで若い世代よりお金持ちの高齢者は少なくなく(65歳以上の高齢者で資産が1億円以上ある世帯が10%、4,000万以上の金融資産を持っている世帯が16%)、何故、 金持ちの高齢者の年金や医療費まで、貧乏な若者達が面倒を見なければならないのか?と高収入高齢者の年金受給を疑問視する意見が出ています。年金支給に所得制限を導入すべきかどうかについて、お聞きしました。集計グラフをご覧ください。
 結果は、年金支給には「所得制限を導入すべき」という意見が、全体の7割を超えました(「強く導入すべきと思う男性43.0%女性30.0%)」 「やや導入すべきと思う男性30.9%女性46.7%)」)。男女を比較すると、男性の方が「強く導入すべきと思う」を選んだ比率が高く、 女性よりも、導入に一段階積極的な姿勢が見えます。
 一方「導入すべきではない」という反対意見は、14.1%男性では、50代以下の現役世代で20%前後の人が反対しており、60代70歳以上の年金受代の反対意見 (12%台)より多いという結果が出ています。大きな差ではありませんが、高齢者層の方が「年金支給に所得制限を導入すべき」と考えている人の比率が高くなっています。女性は各年齢層で意見がバラバラでした。
 「受給辞退に任せるべき9.8%)」を選んだ会員様は、70歳以上がもっとも多く、17.4%でした。但しこの「年金受給を辞退」できる仕組みは、ほとんど活用されていないのが実態です。 日本年金機構によると、辞退による年金給付を停止している件数は、僅か859件(2016年11月末)だそうです。制度としての認知度が高くないという点が影響しているかも知れませんが、本人の自主的な判断に任せるだけでは、 件数は増えにくいように思います。質問6には、「受給辞退」を促す仕組みを作ったらどうかというご意見が届いてます。
 日本の経済成長は、1997年をピークにこの20年間横ばいから縮小を続けています。税収が増えない中、政治家はほとんど効果の出なかった経済対策に大金を投じ、高齢化の加速により社会保障費が増加し財政赤字が膨れ上がっているのにもかかわらず、 対策は遅々として進みません。社会保障費を負担する現役世代からは、その費用の大半を消費する高齢者世代との格差や制度の問題点に対する不満意見が、 高齢者世代からは、今の年金額では生活できない、優遇されているとは思えないという反対意見が出ています。次ページをご覧ください。
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