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Q1
文部科学省の2016年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」に関する調査結果によると、「いじめ認知件数」は、軽微なものでも積極的に把握するという国の方針があり、過去最多の32万3,808件になりました。 しかし30.7%の学校は、いじめが1件もなかったと報告しています。学校の「いじめ認知件数」は、実態を正確に反映していると思いますか?考えに1番近い選択肢を1つ選んでください。
 質問1は、全国の学校が文部科学省に報告している「いじめ認知件数」の数字を、どう捉えているかという質問です。
 2017年10月26日文部科学省は、全国の国公私立の小中高、特別支援学校を対象とした2016年度の「児童生徒の行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の調査結果を公表しました。 それによると各学校が「いじめ」と認めた「いじめ認知件数」は、前年より9万8,676件増え、32万3,808件と過去最多を記録しました。昭和60年度以降で、もっとも多い件数であり、 多くの学校でいじめに対する調査いじめの認識度が進んでいることが読み取れる結果となりました。
 ところがそんな傾向に相反するデータがありました。実はいじめを認知した学校は、全体の68.3%に留まり、残りの30.7%の学校は「いじめが1件もなかった」と報告しているのです。 さすがに文部科学省も、「残りの3割が『いじめゼロ』というのは多すぎる」という趣旨の指摘(日経新聞の報道)をしており、学校の報告数字に疑問を呈しています。会員の皆様はこの調査結果を、 どう思われたのでしょうか?集計グラフをご覧ください。
 最も多かったご意見は「実態より大幅に少ない」で61.8%でした。大幅に少ないと考える方は、より女性に多く、男性57.1%に対して、 女性71.7%でした。2番目に多かったのも「実態よりやや少ない20.6%)」という調査結果より実態の方が多いと考える方々でした。
 一方、調査結果が実態を正確に反映している、又は逆に実態の方が少ないと考える方は少数です。「ほぼ正確に反映している4.2%)」を選択された方は、男性5.4%女性1.9%。「むしろ過大に報告されている3.6%)」では、男性4.5%女性1.9%で、数値は少ないもののいずれの選択肢でも 男性女性より多くなっています。
 調査結果を都道府県別に調べてみると、地域によってかなりの差があることが分かります。生徒・児童1,000人あたりの「いじめ認知件数」では、全国平均は23.9件ですが、 最多の京都府96.8件)と最少の香川県5.0件)では、実に19倍もの開きが出ています。この開きの原因は、何でしょうか?京都府では「いじめをする生徒が多くいる」、 香川県では「いじめをする生徒が非常に少ない」というような差ではないと思います。地域や学校により、いじめに対する認識やいじめを発見し防止するという意識の差が大きく、少ない学校は いじめを見逃している可能性が高いと考えられます。 文部科学省も、「まだ法によるいじめの定義をしっかり認識していない学校や地域があると考えられる。法の趣旨や認知の必要性を周知していく。」と発表しています。文部科学省は、 いじめの定義を正しく理解していないなどの理由により、いじめが1件もなかったと回答してしまった学校が30.7%もあったのだと考えているようです。
Q2
「いじめ」は、教師の見ていない場所や学校外で行なわれ、最近はネットを使った中傷や嫌がらせも増加しているため、決して発見しやすいものではありません。では、どうやって「いじめ」は発見されているのでしょうか? いじめの発見で最も多いきっかけは、何だと思いますか?選択肢の中から、1番多いと思うものを1つ選んでください。
 いじめが校内で発生している事を発見した学校は、どうやっていじめを発見したのでしょうか?最初に、いじめ発見のきっかけで、会員様が1番多いと考えたものをご紹介します。集計グラフをご覧ください。
 1番多く選ばれた選択肢は「同級生・友人等の情報41.2%)」でした。いじめは学校で行なわれることが多いので「同級生や友人達が目撃する確率が高く、 放っておけないので学校側に通報する」生徒が多いと考えられたと思います。
 2番目に多く選ばれたのは「本人の保護者からの訴え30.9%)」です。もしいじめを受ければ「子供はまず親や保護者へ相談するだろうから、親や保護者からの相談やクレーム」で発覚する という見方でしょう。3番目は「アンケート調査12.7%)」です。いじめを受ける生徒は「恐らく同級生にも親にも相談できず1人で悩んでいるだろう」から、 アンケートなどの調査を実施しないと発見できないだろうというお考えだと思います。
 この後は「本人からの訴え4.8%)」「学級担任が発見3.0%)」「担任以外の教職員0.6%)」 と続きます。選択肢以外のきっかけである「その他のきっかけ」は、6.7%でした。 「本人からの訴え」を選んだ方が少なかった要因は、何でしょう。学校でいじめの被害者が、教師や学校へその被害を訴えるのは、相当にハードルが高い行為だと思われているのかも知れません。 いじめが被害者の自殺などに至った過去の事件報道では、そのほとんどで生徒からのいじめの訴えを学校側が認めず、適切な対応を取らなかったことが指摘されています。臆病になる生徒も多いはずで、 選び難い選択肢だったと思われます。
 さて、会員様は上記のように考えられましたが、実際の調査結果はどうだったのでしょう?調査結果を調べてみると、 実際に、最も多く発見に役立ったきっかけは「アンケート調査51.6%)」だったことが分かります。半数以上のいじめは、アンケートにより発見されています。 そして、2番目は「本人からの訴え18.1%)」で、3番目は、意外にも「学級担任が発見11.6%)」の順でした。 ちゃんと見ている学級担任もいるのです。
 会員様が選ばれた選択肢と比べて見ると、多くの会員様が選んだ選択肢は、実際の発見のきっかけでは少ない部類に該当するもので、会員様の予測は大きく外れてしまいました。 学校の同級生や友人との関係、親との関係は、会員様がイメージしていたものとかけ離れている可能性があります。会員様が最も多く選ばれた「同級生・友人等の情報」は、3.3%に過ぎません。 いじめを止めさせて、同級生を助けようと学校へ通報する生徒は、極めて少ないのです。もちろん気付いていないということもあるでしょうが、自分が告発すれば、 自分もいじめの対象になるという恐れも含まれているでしょう。また、2番目に多く選ばれた「本人の保護者からの訴え」も、実際は10.6%しかないものでした。 いじめられ問題抱える子供の異変に、親はあまり気がつかないのです。いじめを受けている生徒は親に相談することが少なく、1人で悩み苦しむ傾向が強いと言えそうです。 親子のコミュニケーション不足も指摘できるでしょう。子供が進んで相談してくるような家庭環境ができていないご家庭は、親が子供の変化に十分に注意する必要がありそうです。
 次のページでは、「いじめを認めない」学校や教育委員会に対する会員様のご意見をご紹介していきます。
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