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Q3
調査結果によると、2016年に自殺した生徒児童の数は244名。うち10名がいじめに遭っていました。いじめ防止法が作られるキッカケとなった2011年の滋賀県大津市のいじめ自殺を始め、 宮城県仙台市や茨城県取手市のいじめ自殺など、学校や教育委員会が「頑なにいじめを認めない」ことが繰り返されています。「いじめを認めない」学校や教育委員会についてどう思いますか? 該当する考えにチェックを入れてください。(複数選択可)

 いじめ防止法が作られるキッカケとなった2011年の滋賀県大津市のいじめ自殺事件。皆様は覚えていらっしゃるでしょうか? こちらのアンケートコーナーでも2012年8月滋賀県大津市から見える「いじめ問題」』というテーマで アンケートを実施しています。事件はその後、被害者遺族から加害者同級生への刑事告発と警察による強制捜査、大津市と加害者側への損害賠償請求へと進展。大津市と遺族間のみ、和解が成立しています。
 この事件で大きな問題となったのは、生徒の自殺後、学校側が生徒に対して行なったアンケートに、明らかにいじめと思われる同級生からの証言が複数をあったにもかかわらず「学校側が無視」し その後何の調査も行わなかった事、明らかに複数の教師がいじめに気がついていたのにもかかわらず、いじめを放置。「いじめに気がつかなかった」と嘘の証言をした事です。この事件後、 学校にいじめの防止・早期発見・早期解決などを義務付ける「いじめ防止法」が制定されました。
 この「いじめ防止法」は、学校にアンケートなどを実施し、いじめの調査を行い発見することを規定しています。ところが、調査により得られたいじめ証言を無視し発見を放棄する学校がなくなりません。 例えば、2015年の生徒の自殺を「いじめは認められない」と結論付けた茨城県取手市立藤代南中学校のケース。文部省は、この事件を報告が必要な「重大事態」に該当すると再調査を指示します。 その後マスコミの調査も含め判明した事は、学校や教育委員会が、事件後に行なわれたアンケート調査を精査しなかった事や「受験を控えた同級生たちへの配慮」を理由に自殺の事実を伏せ、当初から事実を隠そうとしていた事などです。 一部の学校の問題とは言え、同じ教育現場です。まだ若い生徒が命を絶ったという重大な事件に対し、何故学校は学校側の問題を直視せず、隠蔽しようとするのでしょうか?こんな学校や教育委員会に対する会員様のご意見です。
 ご意見上位は、「教育界は隠蔽体質だ57.6%)」「責任逃れだ55.8%)」 「身内への保身が過ぎる48.5%)」の3つが比較的僅差で並びました。ここに見えるのは、教育界に対する不信感です。思い出すのは、大津市の自殺事件の際、 大津市市長を始めとする政治家達が、無責任な発言を繰り返す教育委員会を批判。マスコミも「いじめ自殺、隠すことが教育なのか」と学校や教育委員会の無責任さを追及した事です。 いじめ防止法が出来ても相変わらず同じ事が繰り返されることに、会員様は厳しい意見を持っています。
 一方、学校側に同情的なご意見「国の成果主義の弊害18.8%)」や「立場上仕方がない5.5%)」は多くありません。 「その他考えがある9.1%)」では、具体的な意見が分かりませんが、学校側の対応を容認するご意見が含まれているかも知れません。
 教師が、授業以外に課外授業やクラブ活動、生徒指導と規定の時間には収まらない激務をこなしているという点は、考慮すべきでしょう。しかし、教育をする立場の人間が、自らの行為に嘘をついたり責任放棄する事が許されるかと言うと、 そうではないでしょう。ましてや子供の人生がかかった問題です。早く「いじめ防止法」の趣旨が、全国の学校に浸透することを願って止みません。
Q4
横綱「日馬富士」の暴行行為は、刑事事件となり角界の一大事へと発展。しかし部活中に熱中症で倒れた生徒へ教師が暴力を振るい、生徒を死亡させた2009年の大分県の事件は、刑事事件にもなりませんでした。 公務員(教師)の職務上の過失は「国や自治体が賠償責任を負う」国家賠償法で、個人責任を追及できないからです。教師による体罰や暴力が個人の責任にならない法律について、どう思いますか? 考えに1番近い選択肢を1つ選んでください。
 まず2009年大分県の高校生が部活中に死亡した事故のおさらいです。2009年8月大分県立竹田高校の剣道部の工藤剣太さんは、剣道場で打ち込み稽古をしていた際、「もう無理です」と訴え、 竹刀を落としても気付かない朦朧とした状態に陥ります。剣道部の顧問は、工藤さんが意識障害を起こしてふらついていたのにもかかわらず、救急車を呼ばず、適切な冷却措置も行ないませんでした。更に、ふらつきが演技だと暴行を加えます。 以下、東京新聞の記事からの抜粋です。「顧問は助けるどころか『演技じゃろうが』と言って、生徒の体を前蹴り。生徒は、自分で防具を剥ぎ取るように外し、壁に頭をぶつけて倒れた。それでも顧問は馬乗りになり、 『これが熱中症の症状じゃないことは、俺が知っている』などと言いながら頬に約十発、平手打ちを加えた。生徒は嘔吐して反応しなくなり、その夜に亡くなった。
 意識障害を起こし倒れている生徒に暴行を加え死に至らしめるというあくどい行為ですが、顧問の教師が刑事告発されることはありませんでした。公務員の業務上の過失は、例え悪意がある行為であっても 「国家賠償法」によって国や自治体がその賠償の責を負うことになっているからです。この法律及びその運用に付いて、会員様のご意見をお伺いしました。集計グラフをご覧ください。
 61.8%の会員様は「早急に改定すべき」というご意見です。また、早急ではないが「将来的に改定すべき」というご意見が17.6%あります。 この法律はオカシイでしょうと考える会員様が大半をしめました。改定すべきというご意見は、トータルで8割近くに達しています。「早急に・・・・」と言うご意見は、女性に多く、 女性67.9%に対して男性58.9%でした。「将来的に・・・・」では、逆に男性が多くなり、男性19.6%に対し女性13.2%でした。
 3番目に多かったご意見「教師への運用を改定9.1%)」も改定派と言えます。公務員は、教師だけではありません。く警察消防士もいます。 凶悪犯を逮捕する際に、警察に暴力を使ってはダメだとか言ってられませんので、公務員全部ではなく、教師への運用のみ改定すれば良いのでは?というご意見です。
 亡くなった工藤さんのご両親は、「国家賠償法」によって、担当顧問の責任を追及できなかったことを不満に思い、「県は、県が支払う賠償金の一部を顧問に負担させよ」と裁判を起こしました。教師による体罰や暴力行為が、 指導上必要な行為と黙認され、その行為により重大な事故が起きても、公務員は責任を取らなくて良ければ、行き過ぎた暴力行為に歯止めがかからないと考えたからだと思います。
 一方、公務員なんだから職務中の事故は、例え過失であろうとなからうと全員法律で守られるべきだと考える方もいらっしゃいます。「改定の必要はない」というご意見は、5.5%でした。 絶対「改定すべきでない」は、0.6%でした。
Q5
小中学生が悪質ないじめや暴力行為をしても、少年法により刑務所送りにはできません。しかし、いじめが社会問題となったニューヨーク州ノーストナワンダという都市では、2017年10月より、いじめをした子供の親を罰する (罰金刑か15日間の刑務所暮らし、又はその両方)法律ができたそうです。親が子供の行動に対して責任を負うことで、いじめを防止する作戦のようです。親の責任を追及する法律についてどう思いますか?1番考えに近い選択肢を1つ選んでください。
 2012年8月に実施したアンケート『滋賀県大津市から見える「いじめ問題」』には、「いじめ減少の為に、最も責任を持つべきだと思う所はどこでしょうか?」という質問がありました。 当時の会員様のご回答で多かったのは、1位が「家庭」の78.8%。2位が「学校」で75.6%でした。多くの会員様の認識は、 親が子供に「いじめをしない」と躾けることが重要というものでした。
 いじめの問題は、日本ばかりでなく世界各国で発生しています。いじめの頻発が地域の大きな問題となっていたアメリカ合衆国のある町では、2017年10月から「いじめ加害者の親を罰する」条例が施行されたと、 AP通信などが報じています。その町は、ニューヨーク州の北西部、ナイアガラの滝が近いノース・トナワンダの町。条例は「子供が90日間のうちに2回、いじめをしたり他の生徒を攻撃したりした場合、子供の両親は250$の罰金を払うか、 もしくは最大15日間刑務所ですごすか、またはその両方が科される。」というものです。条例施行の背景にあったのは、いじめで暴力を振るった生徒を家庭裁判所に起訴しても少年法により刑務所に行く訳ではないので、抑止力にならず 相変わらずいじめによるトラブルが絶えなかったことです。そこで、2016年に制定されたウィスコンシン州の条例を参考に、親が子供の行動に対して責任を負うことでいじめを防止する作戦になったようです。 この法律について会員様は、どうお考えになるのでしょうか?集計グラフをご覧ください。
 最も多かったご意見は「考え方には同意する30.9%)」と「詳細を見て判断したい30.9%)」でした。親に火の粉が飛んでくるということに対し、 躊躇し慎重になる会員様が多いようです。子供のいじめには「家庭」が責任を持つべきと考えていても、法律により自分に子育ての責任が及ぶという事になれば、潔くなれないようです。 「あまり賛成できない18.2%)」というご意見の方が、「日本も導入すべき17.6%)」を上回りました。 但し「日本も導入すべき」と考えた方は、男性では21.4%あり、「あまり賛成できない」を上回っています。女性9.4%しかなかったことが影響しました。 どうやら女性(母親)は、子供の躾けにあまり自信がないのか、責任を取りたがらない方が多いようです。
 少数ですが「やり過ぎだと思う2.4%)」を選ぶ方もいらっしゃいました。「他の考えがある」を選んだ方は、ゼロでした。
 滋賀県大津市のいじめ自殺事件では、遺族と市との間にはすでに和解が成立しています。しかしいじめが自殺の原因だと明らかになった今でも、加害者の少年達の親と遺族間では、裁判が続けられています。自分の子供のいじめを認めず、 他の要因に責任を転嫁しようとするする親が多いのが日本の現状です。遺族側の気持ちを代弁すれば、親の責任を問う法律や条令を制定する必要性は、かなり高いのではないかと思います。
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