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Q3
2018年度に見直しが予定されている国の「エネルギー基本計画」。2014年度に国が発表した計画では、2030年度の電源構成は20~22%程度を「原子力発電」でまかなう事になっています。 しかし既存の原発の寿命を考えると、計画通りに実施するには、新たな原発を何10基と作らなければならないそうです。新たな原発を造ることについてどう思いますか?
 2011年3月の原発事故前には、福島第一原発を含め54基の原子炉があり、28.6%の電力を供給していました。ところが福島第一原発の事故を受け、 2012年に改正された原子炉等規制法によって、原子力発電所を運転できる期間は運転開始から40年と規定されました。但し、この法律には抜け道があって、原子力規制委員会の認可を受ければ、 1回に限り運転期間を20年を超えない期間で延長ができるようになっています。
 日本の原子炉は、その大半が1970年代80年代に稼動を始めているため、2020年代には大半が寿命を迎えることになります。原発事故があった福島第一原発合計6基東日本大震災の影響で運転の目処が立たない福島第二原発4基)や女川原子力発電所3基)、老朽化による廃炉が決定している福井県 美浜(1号機~2号機)・敦賀(1号機)・大飯(1号機~2号機)などの稼動できない原子炉の合計は、既に20基以上になります。
 従って、2030年度に電源構成の2022%程度を「原子力発電」でまかなうのであれば、稼動40年以上原子炉の稼動延長を認めるほか、 新しい原子炉を20基程度は造らないと足りない計算になります。地震対策の必要性を指摘されたにもかかわらず、対策を怠った電力会社とそれを許した原子力規制委員会。 責任を認めず想定外の一言で済まして良い案件なのかどうか分かりません。また、原子炉を運転すると必ず生み出される使用済み核燃料の問題。様々な放射能物質が含まれ、 その処理の目処がついていませんが、これは放置したままなのでしょうか?新たな原子力発電所を造ることについて、お聞きしました。
 最も多かったご意見は「絶対反対だ男性38.1%女性68.7%)」でした。 次に多かったのも「反対だ男性28.9%女性22.2%)」という反対派のご意見でした。2つの反対意見の合計は、男性67.0%女性では、90.9%になり、9割を超えています。女性のほとんどの会員様は、新たな原発建設に反対していらっしゃいます。
 一方、原発建設に賛成するご意見は「やや賛成だ男性16.1%女性7.1%)」と 「賛成だ男性12.8%女性0.0%)」の合計で、全体の22.0%でした。 反対派が多い女性では、「賛成だ」を選ばれた方は、1人もいませんでした。賛成者が合計28.9%3割近くいる男性に対し、女性は、 「原発アレルギー」なのかも知れません。もし今後、原発の建設案件が電力会社から出てきたとしても、女性会員様から原発建設の承認を得るのは、 かなり難しいのではないでしょうか?
 国は、新しい「エネルギー基本計画」策定に動き出しています。資源エネルギー庁の意向は、原子力発電を復活させ、旧計画通りに20~22%程度の電力を、 原子力発電で賄いたいようです。計画の見直しを審議する有識者会議では、原発推進派の有識者が「CO2削減に原発が欠かせない」という刷り込みや日本の再エネ技術力は国際的に競争力がないと 批判を続けています。これに対し、全国207団体が加盟する「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(最高顧問:小泉元総理)や立憲民主党は、 国が作ろうとしている原子力発電を復活させる計画について強く反対を表明しています。 同連盟は、1月10日原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の発表記者会見を開き対立を深めています。どちらの意見が採用されるのでしょうか?
Q4
国の電力政策として考えなければならない重要な課題に、ほとんどを輸入に頼っている火力発電の燃料コストとCO2の削減があります。この課題を解決する発電には、どの発電が一番良いと思いますか?
 日本のエネルギー自給率は、原発が停止する前の2010年は、19.6%でした。しかし原発事故以降、原子力発電石油天然ガス等による 火力発電にシフトしたため、燃料調達コストが膨れ上がり、2014年には6.2%まで低下してしまいました。2015年以降は、 原油価格の低下と再エネ発電の拡大を受け、2016年8.4%(2017年は更に上昇の見込み)まで改善しました。但し、依然として発電の多くを 輸入化石燃料による火力発電に頼っているという状況には変わりません。
 この状況は、日本が資源国の国際情勢の影響を受けやすく、国費の流出CO2の排出リスクが高い発電を主体にしていることを意味しています。問題の解決には、 輸入化石燃料による火力発電を、他の発電方法へ変換する必要があります。他の発電方法とは、何が1番良いのでしょうか?会員様のご意見は、以下の通りです。
 最も良いと選ばれた発電は「再エネ発電51.4%)」です。男性50.5%女性53.5%が支持しています。CO2を削減するには 「クリーン」なエネルギーが相応しいというイメージがあるのだと思われます。また太陽光陸上風力による「再エネ発電」は、 導入への障壁が低い小規模発電が可能なため、普及させ易いと考えられているかも知れません。特に住宅用太陽光発電は、現制度下では、コスト低下の恩恵を最も受けている発電で、 設置した方が得という状況が続いています。
 2番目に良いと選ばれた発電は、やや意外な「その他発電25.6%)」でした。男性22.5%女性32.3%が支持しています。 女性では、支持率が30%を超える程ですが、具体的な発電方法が分かりません。シェールガス革命を起こした米国が、石油・石炭発電よりCO2排出が少ない 天然ガス発電によってCO2の削減に成功していますから、短期的には天然ガスが問題解決に良いと考えた会員様が多かったのかも知れません。また、 早期実現は難しいものの、国のエネルギー計画の中に上げられている水素発電メタンハイグレードが考えられている可能性があります。
 3番目には「原子力発電12.6%)」が入りました。男性からは、17.4%の支持を受けています。しかし、女性からの支持は、僅か2.0%です。 国は、次期エネルギー基本計画で、原子力発電の復活を進めたいようです。但し、住民の承認が問題となる原発稼動には、自治の住人から反対運動が起こる可能性があります。 女性会員様の原発建設に対する反対比率の高さから考えると、原発反対派が主流になる率が高いと思われます。そうなると、もし原子力発電の比率を上げる計画が作られても、 原発建設や再稼動に時間がかかることになり、非常に達成スピードが遅くなりそうです。
 エネルギー交換効率が80%と高く、クリーンで一旦稼動を始めれば安価で安定した電力を供給できる「水力発電」の支持者は、10.4%に留まりました。 男性9.6%に対し、女性12.1%女性にとっては原子力発電より期待度が高い発電方法です。日本は水資源が乏しい訳ではありませんが、 大きく生活環境を変えることになる発電用のダム建設には、住民抵抗が大きいため、開発可能な水資源があまり残っていないところが問題点です。 但し近年、ダムを必要とせず小川でも発電可能なマイクロ水力発電の開発が進んでいます。地域限定の電力源として導入が認められれば、一気に増加する可能性があります。
Q5
中国やアメリカ、インドなどでは、大量に太陽光発電の導入が進み、太陽光の発電コストが劇的に低下。その他電源の発電コストと同等になりつつあります。一方、最も低コストと考えられてきた原子力発電は、 事故対策や廃炉の費用、事故が起きた時の費用まで考えると、最も低コストとは言えなくなっています。発電コストの格差が減りつつある今、新たに策定する「エネルギー基本計画」の電源構成に、 最も比重を置くべきと考える電源は、どれですか?一番良いと思う電源を1つ選んでください。
 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2018年1月、2010年2017年までに太陽光発電のコストが73%、陸上の風力発電コスト約25%下落したと発表しました。 今まで高いと言われていた再エネの発電コストは、劇的に低下しています。
 現在採用されている発電コストの算出方法には、原子炉の廃炉のように設備の廃止に拘る費用や事故が起きた時に発生する処理費用、点検などで停止する期間等が考慮されていません。従って、 発電コストとされている数値をそのまま使って比較することは、正しいとは言えないでしょう。但し、上記問題点を差し引いても各電源の発電コストは、差が縮まっています。発電コストの差が少ないのであれば、 国民が望んでいる他の要素を「エネルギー基本計画」盛り込んでもらいたいものです。会員様が、今後最も比重を置くべきと考えている電源は、どんな電源なのでしょうか? 集計結果をご覧ください。
 結果は「太陽光」が1番良いと考える方が64.0%を占め、他の電源を圧倒しました。男女別の比率を見ると、男性55.5%であるのに対し、 女性82.8%と、ほぼ太陽光一色という状態です。2番目には「海上風力男性10.1%女性5.1%)が入りました。 まだ日本には、馴染みが少ない「海上風力」ですが、「陸上風力男性1.8%女性0.0%)」より だいぶ期待値が高そうです。
 3番目に入ったのは「天然ガス火力男性10.1%女性3.0%)」でした。実は、国際エネルギー機関(IEA)は、 2017年11月の「世界エネルギー見通し2017」で、今後25年間に世界のエネルギー需要の成長は、第1に再エネ、第2に天然ガスによって賄われ、 急速に下落するコストによって太陽光発電が最も安い電源になるだろうという予測を発表しています。世界的に見た電力供給は、 今後再エネと天然ガスが中心となっていくと予測されています。アジアの天然ガスは、現在供給過剰状態が続き価格が安定していますから、火力発電CO2の排出が比較的少なく設備利用率が80%と高い「天然ガス火力」が中心となって行くものと思われます。
 4番目は「原子力6.9%)」でした。この選択肢は、男性しか選んでいません。男性10.1%に対し、 女性0.0%でした。女性は、原子力発電に、全く重きを置いていません。また「天然ガス火力」以下の選択肢で、 女性が選択した電源は「水力男性4.6%女性3.0%)」と「その他電源男性6.9%女性6.1%)」のみでした。
 2000年代半ばまで、日本は太陽光発電の分野に置いて世界のトップランナーでした。ところがその後、国のエネルギー政策転換により太陽光発電は停滞に陥り、世界から大きな遅れを取ることになりました。 今や再エネの世界では、日本は中国や米国などに大きく引き離され、時代遅れの国と揶揄される「再エネ後進国」です。エネルギー政策の取り方によって、 日本の世界における立ち位置は、大きく後退してしまいました。今後日本は、どんなエネルギー政策を取るのが良いのでしょうか?
 次のページからは、会員様が考える日本のとるべきエネルギー政策に関するご意見をご紹介していきます。
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